コロナ疲れを解消し免疫力を高める食事と運動方法

2020/05/17 免疫力向上

緊急事態が解除されたとはいえ、第2波・第3波を恐れ外出を控える方も多く、近隣国も含め国内でも第2波の情報に踊らされ不安を募らせる毎日で、コロナ疲れもピークになっているのではないでしょうか。


都内のオフィス街のお昼時、サラリーマンのお父さんたちの会話によく登場するフレーズは「この頃、妻のイライラ度が高くない?」。


そこで家族みんなが、心身ともにリラックスでき、しかも健康になるコロナ疲れ解消術を氣仙長生治療院(千葉市)の氣仙英郎院長が伝授します。


氣仙長生治療院(千葉市)の氣仙英郎院長

カギを握るのは、
(1)自律神経の調整
(2)セルフケア
(3)花と呼吸法の3つの効用。

これらを組み合わせて実践してみましょう。


自律神経の調整は交感神経と副交感神経のバランスが重要


【1.悪循環】
長く外出控える×不安・イライラ

コロナ疲れ

自律神経失調

免疫力低下


【2.気分改善】
気分が良いことをする

心身ともにリラックス

自律神経整う、体温が上がる

免疫力上昇

楽しく気分が良い



職業、年齢、老若男女を問わず、多くの方が今、この【1.悪循環】に陥っているのではないでしょうか?


コロナ疲れを解消するには、気分が良くなる方法【2.気分改善】で、リラックスし、楽しく免疫力を高めることをすべきです。


生活習慣の中でこの循環を自動化する流れを工夫できれば、感染症や急な環境の変化にも惑わされない心と体を作ることができます。


ではどうすればリラックスできるのか?


体と心のバランスを保つ自律神経を整えよう


まずは自律神経に着目したいと思います。私たちが体と心のバランスを取るために重要なのは自律神経です。


これは私たちの無意識の領域と密接につながっています。


なぜなら、自律神経は普段私たちが意識していない血液の流れや呼吸、消化、体温、排泄などの体の機能を自動的にコントロールしているからです。


交感神経と副交感神経のバランスを保とう


そして、自律神経には交感神経と副交感神経があります。交感神経と副交感神経には相反する作用があり、仕事など活発に活動する状況で働くのが交感神経です。


活動時には血圧が上昇し、心臓の機能は高まり、消化管の機能はむしろ抑制されます。


一方、副交感神経はお休みモードの状態で働くので、副交感神経が働くと消化管の働きが活発になり、食物の消化吸収が促進されるわけです。


体に栄養が取り込まれ、エネルギーが蓄積されるのも副交感神経の働きによるものです。その際、心臓の働きは抑制されます。


この交感神経と副交感神経のバランスがいかに大事かを、当院に通う20代後半の患者さんを例にお話しましょう。


東京で多忙な生活を送る20代後半の女性の事例


ある患者さんの事例です。
この患者さんは東京・神田で働く女性で、ちまたでは働き方改革が叫ばれていますが、毎日午後10時すぎの帰宅は当たり前という生活を送っていました。


首、肩、背中の凝りは日常的で、時々腰痛にも悩まされている方です。


そうした状況は、コロナウイルス感染が広がっても大きく変わりません。


むしろ取引先企業が業務を縮小したり、テレワークを実施するなどしたため、打ち合わせなどで外出する機会がめっきり減ってしまったと言います。


そして自社ビルに閉じ籠もって仕事しているため、かえって首、肩、足のむくみなどがひどくなったそうです。


さて、この状況をどう改善しようかと考えた女性は、簡易型のマッサージ機をオフィスに持っていくことにしました。


自分のデスクの足元にそのマッサージ機を置き、その上に足を載せてマッサージをしながら仕事をしていたそうです。


ところが3回ほど使用したところで、右足の甲がはれて痛くなってしまい、当院の施術を受けにきました。


交感神経と副交感神経のバランスの崩れが起きていた


右足の甲の痛みは、足の小指側の腓骨筋と親指側の後脛骨筋のバランスが崩れてしまったことが原因


腓骨筋がさぼっている一方で、後脛骨筋が緊張し過ぎて、足の甲が痛くなってしまったようです。


人が仕事モードの時は、頭を使って手を動かすために交感神経優位になっています。


ところが、足の方はもみほぐしの刺激を受けて、リラックスするよう筋肉を刺激してしまう。


その患者さんの体は相反する刺激に戸惑ってしまったのだと思います。施術では骨盤を調整した上で、足の筋肉のバランスを取ったところ、症状は改善しました。



これは極端な例ですが、コロナウイルスに振り回されて自律神経のバランスを崩してしまう人が続出しています。


仕事や家事などでストレスがたまったら、しっかり時間をとってメリハリをつけて休むことが大事です。


低血糖症は要注意!!食事改善と低GI食品を


ただ休むだけではなく、ひと工夫が必要です。まずはおいしい食事。


薬膳料理(参鶏湯)

具体的には鶏料理、特に参鶏湯などはいかがでしょうか?薬膳料理で鶏肉は「気血を補い、体温を上げ、胃腸の働きを良くする」とされます。


その結果、免疫力をつかさどる腸をきれいにすることにもつながります。


漢方を使った薬膳料理はちょっと・・・と気が引ける方はコンビニ食材を使って簡単な料理法で免疫を高めるメニューもあります。「免疫力高める中高年男性におすすめのコンビニ食と料理」で食材とレシピを掲載しているので、是非参考にしてください。


食べ過ぎと間食は低血糖症状を引き起こす恐れがある


コロナの影響で「あー疲れた」「イライラする」と甘いものに走る人が少なからずいらっしゃるとは思いますが、あまりお勧めしません。


大きな落とし穴があるからです。


ヒトの体には、食事によって上がった血液中の血糖値を、膵臓から出るインスリンによって下げる仕組みが備わっていますが、その体の機能がうまく働かない人もいます。


そういった人は食事や間食後、上がった血糖値を下げようとしてインスリンが出過ぎたり、効き過ぎたりして今度は急激に血糖値が下がってしまい、低血糖症状を引き起こしてしまいます。


その結果、冷や汗やめまい、手が冷たくなる、頭痛などの症状が起きます


日頃から食べ過ぎや間食が多いなど原因はさまざまですが、そもそもの血液を作る力が弱く、血液量が足らない人も低血糖症になる可能性が高いそうです。


でも、病気だと分からないまま、血糖値の急上昇と急降下を繰り返す悪循環に陥って膵臓を弱らせてしまうことも。


そして糖尿病に移行してしまう可能性もあります。


低血糖症の恐れがある方は低GI食品を多く摂ろう


コロナに疲れて、こうした病気が発症してしまっては元も子もありません。


ですから、低血糖症の症状が思い当たる人は、この時期だからこそ、食事の改善を意識することが大事です。


まずはよくかんでゆったり食べることと、糖質の吸収が早い高GI(グライセミック・インデックス=食後血糖値の上昇を示す指標)食品を減らし、低GI食品を多く摂ることです。



高GI食品には白米や白糖が使われている食品果糖ブドウ糖液糖など、低GI食品には胚芽米や玄米、食物繊維が豊富な食品、豆類などが含まれます。


低血糖症対策にはまず血流の質と量そのものを良くすることが一番です。


血糖値を上げるホルモンはコルチゾールなど数種類ありますが、血糖値を下げるホルモンはインスリンだけ。


このコロナウイルス騒動をきっかけに、膵臓を思いやる食事にも気をつけていただきたいと思います。


運藤で肩こり、首痛、腰痛を予防しよう


食後にやっていただきたいのは、セルフケアの運動です。


自律神経が崩れるといつでも、交感神経優位という状態が長く続くことになり、体は緊張している時間が長くなります。


そうすると、肩こり、首痛、腰痛などさまざまな体の不調が出てきます。腰回りや内臓の筋肉も硬くなってしまいます。


これが腰痛発症の原因ともなります。


自律神経を整えるためセルフケア方法


そうした症状を予防し、自律神経を整えるために簡単にできる姿勢改善の4つのセルフケアをお伝えします。


(1)膝裏と足首のストレッチ

自律神経を整えるためセルフケア方法-膝裏と足首のストレッチ

若い頃から悪い姿勢が定着してしまうと背中が丸くなってお腹が前に出て、「がに股」になってしまいます。

そして、骨盤が後傾するため、体のバランスをとるために膝が曲がっていきます。
そうした状態にならないために、後ろ側のアキレス腱(けん)と足首を同時に伸ばすストレッチです。
前足と後足に均等に踏み込むようにします。左右各10秒ずつ。



(2)ハムストリングスのストレッチ

自律神経を整えるためセルフケア方法-ハムストリングスのストレッチ

前足の太腿の裏を伸ばします。背中を真っすぐにキープ。前足の膝は伸ばして、つま先をあげるのがコツ。

後ろ足は軽く曲げます。
これによって骨盤のズレを矯正できます。左右各10秒ずつ行います。


(3)股関節のストレッチ

自律神経を整えるためセルフケア方法-股関節のストレッチ

ポイントは前側の腸腰筋と大腿四頭筋を伸ばすことです。上半身を真っすぐに伸ばして、後ろ足はバランスを取りながら開いて、つま先立ちで支えます。

前側の足は90度に開き、つま先よりも前に出ないようにします。太腿も前側がしっかり伸びていることを感じてください。
左右各10秒ずつ。


(4)最後はチャイルドポーズでリラックスストレッチ

自律神経を整えるためセルフケア方法-チャイルドポーズでリラックスストレッチ

正座になります。その時、両足の足指は重ねないように。そこから、腕を前に伸ばして、前屈していきます。
おでこを床につけます。
腰から背中、首までの骨が一椎ずつ伸ばされていくとイメージすると良いです。
呼吸はゆったりと自然呼吸で。気持ちよく背中が伸びているのを感じられたら終わりです。


3つ目に「お花と呼吸法」についてお話しします。


当院には花が常に飾ってあります。
花の匂いを嗅いでいると気分が良くなってくるし、呼吸が深くなってくるからです。


花にはマッサージと同じ効果があるという千葉大学の研究結果があります。


千葉大学環境健康フィールド科学センターの自然セラピープロジェクトによれば、「植物には人の状態をコントロールする力があることが分かった」そうです。

例えば、「血圧の高すぎる人は低く、低すぎる人は高くする」「気分が沈んでいる人は元気に、興奮している人はリラックスする」「高ストレス状態にある人はストレス軽減作用が働く」。


これは皆さんの経験的にもすぐに納得する話だと思います。


科学的に言えば、花の香りによって副交感神経が活発になって、前頭前野が沈静化するという理屈です。


そして、花があるそばで、軽く瞑想(めいそう)していただければリラックス効果は一段と高まります。


瞑想と堅苦しく考えず、ゆったりした呼吸をするだけで良いです。


意識的に呼吸法をして、リラックスモードを作り出すことで、腰痛や肩こり、首痛などを予防することができます。


ここでは、『癒す心、治る力』(角川書店)の著者、アンドルー・ワイル博士の呼吸法をご紹介します。



ワイル博士は吸気・停止・呼気の比率が「4対7対8」という呼吸法を提唱しています。
(1)まず、息を吐ききって、4つ数えながら鼻から息を吸う。
(2)そこで息を止め、7つ数える。
(3)7つ数えたら、口から軽く音を立てながら8つ数える間に、息をはく。


これを1サイクルとして4サイクル繰り返し、その後、普通呼吸に戻します。
ぜひ実行してみてください。

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この記事の監修者

氣仙英郎

氣仙英郎

宮城県生まれ。氣仙長生治療院院長。整体師。あん摩マッサージ指圧師(国家資格)。日本長生医学会、睡眠整体協会など所属。


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