【生涯現役本】ジェイソン・ファン著『トロント最高の医師が教える世界最新の太らないカラダ』(サンマーク出版)

トロント最高の医師が教える世界最新の太らないカラダ

著者はカナダ・トロント在住の医学博士。腎臓専門医。2型糖尿病と肥満に特化した治療を行う食事管理プログラムを開発した人物だ。

本書は460ページ超、6部構成で20章からなるボリュームある1冊。

まえがきは推薦者であるティモシー・ノックス(ケープタウン大学名誉教授)氏による、著者の紹介。腎臓専門医である彼がなぜ肥満治療に挑んだのか、を解説。

つづいて、著者による「はじめに」。

この部分を読むだけでも”痩せたい人“にはかなり興味を引く内容だ。

摂取カロリーの削減は50年に渡って推奨されているが、なんら効果を上げていない、と断言。

そのほか、肥満の原因とされる栄養学的見識(例えば「脂質は悪い、脂質は良い、いい脂質と悪脂質がある」など)に、学者、研究者によりあまりにも差異があることにも疑問を呈する。

多くのダイエット本が肥満の原因をひとつに限定していることも問題であり、何十年もかけて蓄積された肥満が、ほんの数週間の研究で出た情報で解決するとは考えにくいとする。実験用のマウスが痩せても、人は痩せない、として本書では人間で実証された高質な、信頼性の高いもの以外を参考にしない、と宣言。

気になる第1部は「肥満の真実」。常にわれわれが悩まされる疑問のトップとして。

「なぜ太った医者がいるのか?」

肥満に対して助言を下す立場の医者が太っている事実を踏まえ、一般的なダイエット情報が本当に正しいのか? を解明していく。

第1部1章はダイエットの黒歴史。副題は、人類は痩せない知識で減量に挑んでいる。

何事も、本当の原因(根本現認)に対処することが重要だとし、多くのダイエット情報が近因によるもの、だという。

多くの認識者が提言する「食事量を減らし、運動量を増やす」。

つまり原因も対処法も理解しながら、なぜ人はいまだに太り続けているのか? と疑問を打ち出す。

さらに糖質制限、低脂肪食への疑問。また、誰が言うかで正解が二転三転する現実もある。

第2部は「カロリー制限」という幻想。

食べた分だけ太る、は間違いである、という前提で5つの仮説を立て、データをもとに検証していく。また、カロリー制限によるデメリットも紹介している。

「たしかに」とうなずいてしまったのが、第2部4章の運動神話。運動人口は増えても、太った人は減らない、という統計データに納得。

第3部は世界最新の肥満理論。同部の第7章で、インスリンが肥満ホルモンであると断言。インスリンが肥満の真因とする5つの調査データにさらに納得させられる。

インスリンが肥満を引き起こし、体重の設定を調整する重要な働きをするに違いない、と結論付けている。が、ではどうすればいいのか。

インスリンの分泌量が少ない時間がつくること。つまり、何を食べるか、より「何回食べるか」が重要である、と。

4部以降で、徐々に具体的な方法に言及していく。

第4部は社会的肥満。

普段の生活習慣が肥満を助長していると断言。その具体例をあげている。

第5部はトロントの最高の医師がやらない「太る食事」。体重を増やす食べ物を紹介。

有名な食品のGI値だが、これは血糖値の上がりかたを測定したもの。

血糖値とは無関係に肥満の真因であるインスリン値は上昇するという。

最終第6部は医師が教える「太らないカラダ」の作り方。

あらゆるダイエットは短期的には痩せる。だが、その後、制限を続けても体重は減るどころか必ずリバウンドする。

半永久的に体重を減らすには、2段階のプロセスが必要だという。

そして、現時点での疫学上最も信頼できる5つのステップを紹介。

この先の具体的方法は完全なネタバレになるので割愛するが…。

たしかに、巻末の付録A、Bのプログラムを完全に実践できれば間違いなく体重は減るだろう。

これまでのダイエット常識をことごとく間違いである、と検証していくスタイルが心地よい。

肥満とインスリンの関係は丁寧に解説されているので科学的な知識がなくても理解できるだろう。

ただ、本書の推奨プログラムをやり続けられるか、否か…多くの人にとって、それが問題だ。

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