【生涯現役本】平野敦之著『できる男の老けない習慣』(青春出版社)
著者は医学博士、日本抗加齢医学会専門医。
第1章は現役本では“お約束”の男性ホルモンについて。
老ける人、老けない人を決定づける2つの男性ホルモンについて解説。
まず、テストステロンに関しては同種書籍と同一で、減少によって心身に現れる体調不全などを紹介している。
そして、もうひとつ著者が重要だと主張するのが“デヒドロエピアンドロステロン”(以下DHEA)。これは別名、若返りのホルモン、長寿のホルモンとも呼ばれているもので、体内のほとんどすべての器官の働きをアップする効果をも持つ。
男女を問わず心身疲労の患者を検査すると、DHEA数値の低下がよくあるという。
またDHEAは、テストステロンの素となるホルモン。ゆえに、DHEAが減ればテストステロンも必然的に減ってしまう。そのほか、ホルモン低下のサイン、ホルモンを低下させる環境など。
そして第2章が“副腎をいたわれば、見た目もからだも若返る”
テストステロンだけでなく、副腎で作られるDHEAに注目することが重要だとする著者。DHEAに注目しているのはまだ少数派で、その作用についてはまだ解明されていない部分もある不思議なホルモン。
第2章では副腎で作られるDHEAを詳しく解説しつつ、約50種のホルモンを作っている副腎を健康に保つ方法を論じている。
副腎はその名前のとおり、腎臓の上にちょこんと乗っている左右2個ある3グラムほどの小さな臓器。しかし、副腎では約50種のホルモンが作られ、全身のホルモンの基礎となっている重要な内分泌器官。
近年、この副腎で作られるDHEAの量が多い高齢者が健康体であることが判明している。
まず副腎疲労を避けるには、できるだけストレスを排除し、食生活、生活習慣を見直すことを推奨。
第3章では、老けない食生活。第4章では老けない生活習慣。第5章がやってはいけない老いる習慣。最終第6章は最先端アンチエイジング法について。
結局のところ健康とは、ストレスを避け、正しい食生活と適度な運動と充実した睡眠による。
ビジネスマンが日々の生活でついやりがちな、つい陥りやすい男性ホルモンを減少させる行動を取り上げているのでなじみやすい。
また、この傾向の現役本のなかでは、副腎で作られるDHEAに言及しているのはまだ少数で興味深い1冊といえる。
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