【生涯現役本】堀江重郎著『うつかな?と思ったら男性更年期を疑いなさい―テストステロンを高めて「できる人」になる!』(東洋経済新報社)

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著者は順天堂大学医学部教授。医学博士であり男性医学の第一人者。

まず、プロローグは45歳のビジネスマン塚田氏の心身に起こったこと。

心療内科で鬱(うつ)病と診断され休職し、薬を服用するも回復せず。

メンズクリニック外来を受診すると、本当の病名が発覚する。

第1章は、鬱症状の多くが男性ホルモンののひとつ、テストステロン不足だった。

男性にもテストステロンの減少による更年期障害は存在し、その症状は鬱病に似ている。

専門医は、男性ホルモンが減少し更年期症状が出る病気をLOH症候群と呼ぶという。

同書に掲載されている17項目からなるAMS調査票(男性更年期障害質問票)で自覚症状を点数化し、もし疑いがあれば泌尿器科で採血。男性ホルモン値を調べることを勧めている。

第2章は、できる男ほどテストステロンが高い。

テストステロンの高さは男性の生き方まで左右し、高いほど“男らしさ”の魅力が高くなる。

テストステロンの多さは薬指の長さに比例し、人さし指との比較で判断できるという。

テストステロンは主に精巣(睾丸)で作られ、その指令を出すのは脳下垂体。しかし、過度のストレスを感じると精巣刺激ホルモンが減りテストステロンが作られなくなる。

第3章は、健康の秘訣(ひけつ)はテストステロンにあり。興味深い項目が続く。

第3章の冒頭は「HONDA」さんの生活。

このHONDAさんはアメリカの病院で使われているスラング。

体形はメタボで、生活習慣が乱れ、健康診断の数値も最悪ながら、生活を改善せず、その結果、突然の発作(痛風、心筋梗塞、尿路結石など)で病院に運び込まれる人のことだという。

健康とテストステロンの関係。また、EDとの関係を解説。

第4章は、テストステロンを高めるライフスタイル。ドクター堀江のテストステロンを高める10カ条が実に興味深い。

適度な運動、仲間とともに行動する、ストレス解消、夜更かししない、など。

意外だったのがゲームをする。脳内ドーパミンがテストステロンを高めるという。

第5章は、ホルモン補充療法。

医療としての男性ホルモン(テストステロン)補充療法を紹介。

実際の治療法や副作用などにも言及している。

この手のテストステロン系書籍は多いが、第一人者の著書らしく見解と具体的な症例が豊富。

医学的、科学的な部分をかみ砕いて表現しているので理解しやすい。

気分がのらない、やる気が出ない、そんな感覚があるなら一読を。

鬱病ではなく原因がテストステロンの減少という場合は想像以上に多いようだ。

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