AGA治療薬、個人輸入しても大丈夫?安心して薬を入手する方法も紹介
薄毛の悩みは他人には相談しにくいものです。ネット上であれこれと調べているうちにAGA(男性型脱毛症)治療薬の個人輸入に関心を持つ人もいるようです。
費用面も含めた手軽さとプライバシー保護の観点から、医薬品の個人輸入を代行するサービスは広がりを見せていますが、海外製の薬を直接入手することに対する不安もあるでしょう。そこで本記事では、治療薬の個人輸入やAGA治療の現状についてご紹介していきます。
わざわざ個人輸入するのはなぜ?
「薬は病院に行って出してもらうもの」という原則から考えると、医師から処方されていない海外製の薬を服用することには抵抗感もあるはずです。それでも個人輸入に踏み切るには、どのような背景があるのでしょうか。
誰にも知られたくない
薬の個人輸入サイトを開くと、何百種類もの薬がカテゴリー別に分類されています。カテゴリーを見てみると、ED治療薬や避妊薬、性病や感染症に関する薬などが並んでいるのがわかります。つまり「薬は欲しいけど、病院での診察にはどうしても抵抗がある」と感じている人にとっては、個人輸入は利用したいサービスということになります。
AGA治療薬にもそうした側面があるといえるでしょう。「対面して診察を受けるのはちょっと…」「クリニックに通っていることを誰にも知られたくない」といった悩みを抱えている場合は、個人輸入で薬だけを調達したいと考える人も少なくないかもしれません。
薬が手に入らない
個人輸入や代行サービスを利用する場合、上記のような心理面以外での理由も考えられます。
まず、日本国内では未承認の薬が手に入れられることが挙げられます。未承認といっても、成分や効能の面から承認されていないケースだけではありません。海外では承認されているにもかかわらず、日本での承認手続きに時間がかかってしまうという問題もあります。最先端の医療を求める人が個人輸入を利用するケースも考えられるでしょう。
ほかにも、地方在住で医療機関が近くにないため、そもそも薬の処方をしてもらえないという事情もあります。大都市圏にはAGA専門のクリニックが多く、EDや男性ホルモンなどの問題とAGAを包括して男性の悩みに対応する「メンズクリニック」も充実しています。
しかし、こうしたクリニックがないことから通院できず、薬も手に入れられない場合もあります。
費用が抑えられる
個人輸入のユーザーにとっては、費用面でのメリットも大きな魅力です。代行のための手数料や送料などの諸経費を加えても、個人輸入のほうが費用負担を抑えられるケースが多くみられます。
業者によっては、まとめ買いや定期購入による割引や類似した薬のセット販売を行っているところもあるため、うまく利用すればよりお得に薬を入手することが可能です。
しかし、こうした利点をすべて考慮したとしても、それを上回るリスクが潜んでいるのが薬の個人輸入といえます。
個人輸入のリスクやデメリット
薬を個人輸入する場合、品質面や健康に及ぼす影響など、さまざまなリスクを想定する必要があります。AGA治療薬の場合にはどのようなリスクが潜んでいるか見ていきましょう。
AGA治療薬は二本柱
個人輸入のリスクの前に、AGA治療に使われる薬についてざっくりと紹介します。AGA治療の基本となるのは抜け毛を予防することです。
そのため、AGAを引き起こす男性ホルモンの生成を抑制する効果がある「プロペシア」という薬が用いられています。また、脱毛が進行している場合には、発毛促進効果のあるミノキシジルを配合した薬を併用するのが一般的です。
偽物や粗悪品が出回っている
薬を個人輸入する場合に、まず心配なのがその品質です。海外では偽物の薬が流通している可能性が否定できません。本物であっても粗悪品が含まれていたり、品質管理が行き届いていなかったりといったことも考えられます。
信頼できるルートを通じて輸入を代行している業者でも、全商品の品質チェックまでは行っていないため、偽物や粗悪品の被害にあってしまうリスクを完全に排除することはできません。
ジェネリックも海外製は安心できない
「プロペシア」の場合、ジェネリック(後発医薬品)が日本を含む各国で製造されています。新薬と同様の品質が認められたジェネリックであればどれも安心だと思いがちですが、海外製となると話は違ってきます。
有効成分の「フィナステリド」が配合されているのはどの薬でも同じですが、海外製の場合はその他の成分が違っていたり、薬の審査体制が万全ではなかったりするため、粗悪品が紛れ込んでいる可能性もあるのです。
過去には海外製の有名なジェネリックに、日本では発がん性物質とされている成分が含まれていたということも実際にありました。
重大な副作用のおそれ
個人輸入した医薬品に限らず、どんな薬にも副作用はあります。日本国内で処方された薬については医師や薬剤師から服用上の注意点がきちんと説明されます。しかし、個人輸入の場合はこうした説明を受けられないのはもちろん、英語で書かれた説明書だけでは注意事項や服用量について正しく理解できない可能性もあります。
特に心配なのが「ミノタブ」と呼ばれているミノキシジルの内服薬です。血管を拡張する作用があるため、国内のクリニックでは心臓や血管などの循環器系に疾患のある人には処方されていません。
服用上の注意点を間違えてしまうと重大な副作用を引き起こす恐れもあるほか、個人輸入の薬については副作用に関する保証制度もありません。
安全安心のオンライン診療
「対面診察は避けたい」「クリニックが近くにない」「薬代が高額」。AGA治療薬を個人輸入する動機となっているこれらの問題は、最近ではほとんど解消されていることをご存じでしょうか。それを可能にしたのがオンライン診療の解禁です。
コロナ対策の一環として解禁
オンライン診療とは文字通り、電話や情報通信機器を通じたやり取りによって、薬の処方を含めた診察を行うことです。新型コロナウイルスの院内感染が問題となっていたこともあり、2020年には初診を含めたオンライン診療が解禁となりました。
コロナ禍における特例措置として時限的に始まった初診からのオンライン診療でしたが、感染収束後も恒久的な措置として継続されることになりました。
AGAのオンライン治療とは?
AGAのオンライン治療は、パソコンやスマホによるビデオ通話で頭部の状況を確認しながら問診が行われ、治療薬が処方される流れです。診療に必要な時間は10分程度というのが一般的です。
オンラインとはいえ、頭部を見せる行為そのものに抵抗がある場合は、頭部を撮影した写真をクリニックに事前送信しておくことも可能です。また、電話だけの診療に対応しているクリニックもあります。
月額3000円台のクリニックも
AGA治療の場合、オンラインに特化したクリニックが増え続けています。オンラインクリニックの特徴は、いつでも診察が受けられて低料金ということです。
例えば、脱毛を抑えるフィナステリドの場合、国内製のジェネリックが月額3000円台というクリニックもあります。海外製の薬を個人輸入する場合と比べても、それほど違いがありません。定期配送による割引や全額保証制度を導入しているクリニックも登場しており、ユーザーにとっては選択の幅も広がっています。
詳しくは「AGA治療「はじめの一歩」は自宅から?オンライン診療の流れとおすすめクリニックを紹介」で解説していますので、あわせて確認してみてください。
AGA治療を始めるチャンス
今回はAGA治療薬の個人輸入についてご紹介してきました。個人輸入にもメリットはありますが、オンライン診療の解禁によって状況はがらりと変わったといえるでしょう。
「医師による診察から治療薬の処方」という一連の流れが、全国どこでも手軽に受けられるようになったことは、薄毛に悩む男性にとっては大きな環境の変化といえるでしょう。
副作用をはじめとする健康面の問題もしっかりケアしながら、AGA治療薬を安心して服用できる。そんな環境が整っている今こそ、AGA治療に踏み出してみるチャンスかもしれませんね。
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